平成23年度 第4回 医の倫理委員会 会議記録の概要

開催日時 平成23年10月20日(水) 17:00~19:15
開催場所 第4会議室
出席委員名 山形 専、山本 博、島村淳之輔、光藤和明、黒瀬正子、高栁和伸、富田秀男、安井昭夫
議事内容
【審議事項】
(1) 非心原性脳梗塞急性期における抗血小板薬多剤併用療法(アスピリン+シロスタゾール)の有効性と安全性に関する多施設共同ランダム化比較研究
申請者: 脳神経外科 定政信猛
研究実施計画書等に基づき、研究実施の妥当性について審議した。
審査結果: 承認(山本副委員長が議事を進行、山形委員長は採決に不参加)
(2) 限局型小細胞肺癌に対するエトポシド+シスプラチン+加速過分割胸部放射線同時併用療法に引き続くCODE療法とアムルビシン+シスプラチン療法のランダム化第Ⅱ相試験
申請者: 呼吸器内科 吉岡弘鎮
試験実施計画書等に基づき、試験実施の妥当性について審議した。
審査結果: 承認
(3) Nobori And Uncoated Stent In Coronary Attack 臨床研究
申請者: 循環器内科 羽原誠二
研究実施計画書等に基づき、研究実施の妥当性について審議した。
審査結果: 承認(光藤委員は採決に不参加)
(4) 脊柱管狭窄を伴う非骨傷性頚髄損傷に対する早期手術と待機治療のランダム化比較試験
申請者: 整形外科 大西英次郎
試験実施計画書等に基づき、試験実施の妥当性について審議した。
審査結果: 承認
(5) 低用量アスピリンによる消化管粘膜障害関連因子の検討
申請者: 消化器内科 松枝和宏
研究実施計画書等に基づき、網羅的遺伝子検査を含む試験実施の妥当性について審議した。
審査結果: 承認(山本副委員長は採決に不参加)
(6) Endoscopic submucosal dissection for treatment of patients aged 75 years and over with esophageal cancer(出版公表原稿)
申請者: 消化器内科 菊池 理
後向き観察研究のため研究開始時に臨床研究申請承認を受けていなかった研究に対し、出版公表原稿に「倫理委の承認がある」旨の一文を入れてよいか審議した。
審査結果: 承認(山本副委員長は採決に不参加)
(7) 周産期医療の質と安全の向上のための研究
申請者: 小児科 吉崎加奈子
研究実施計画書等に基づき、研究実施の妥当性について審議した。
審査結果: 承認
(8) 冠動脈分岐部への薬剤溶出性ステント埋め込みの多施設共同比較試験
申請者: 循環器内科 福 康志
試験実施計画書等に基づき、研究実施の妥当性について審議した。
審査結果: 承認(光藤委員は採決に不参加)
(9) 周産期型低フォスファターゼ血症の出生前診断
申請者: 遺伝診療部 二宮伸介
臨床医学研究申込書(含む別紙B 遺伝子検査実施について)等に基づき、出生前診断実施の妥当性について審議した。
審査結果: 今回の症例については承認。なお、出生前診断であるため今後も個々に申請すること。
(10) 家族性地中海熱の遺伝子診断
申請者: 遺伝診療部 二宮伸介
臨床医学研究申込書(含む別紙B 遺伝子検査実施について)等に基づき、確定診断を目的とした遺伝子検査実施の妥当性について審議した。
審査結果: 承認
(11) 確定診断のために行う遺伝子リストへの追加
申請者: 遺伝診療部 二宮伸介
掲記3項目の遺伝子検査について、「確定診断のための遺伝子検査リスト(2/16倫理委にて承認)」への追加の可否を審議した。
審査結果: 承認。今後の同疾患の確定診断のための遺伝子検査についても承認する。
(12) 中国四国ライブ in 倉敷
申請者: 循環器内科 門田 一繁
倫理審査申請書等に基づき、ライブ研修実施の妥当性について審議した。
審査結果: 承認(光藤委員は採決に不参加)
【臨床研究審査委員会(8/9、8/23、9/6、9/20、10/4)審査報告】
(1) 承認相当:42件 ⇒すべて承認(新規申請 28件、変更申請 14件)
 ①新規申請:28件
1) ICD植込み患者家族のストレスと家族対処
申請者: 看護部 黒瀬正子
看護研究
修正の上再提出(7/26) →承認相当(8/9)
2) ストーマ周囲皮膚障害重症度スケール(ABCD Stoma)の妥当性の検証
申請者: 看護部 吉田松子
委託研究
条件付き承認相当[申込書の対象区分を修正すること、主たる研究機関の倫理委承認書を提出すること](8/23)→承認相当(9/2)
3) 妊娠中の運動と分娩第Ⅰ期所要時間との関連
申請者: 看護部 矢冨 茜
院内看護研究(8/9)
4) 乳癌術後放射線治療を受けている患者の放射線皮膚炎に対する理解とセルフケア行動
申請者: 看護部 坂口展子
院内看護研究(8/23)
5) MR検査の有用性と最適化に関する臨床研究
申請者: 放射線科 渡邊祐司
自主研究
条件付き承認相当[説明文書にデータ利用目的について追記すること](8/9)→承認相当(8/20)
6) 前置胎盤の母児リスク軽減を目的としたプロゲステロン投与
申請者: 産婦人科 福原 健
適応外使用(8/9)
7) サムスカ錠 使用成績調査
申請者: 循環器内科 光藤和明
製造販売後調査(8/23)(光藤委員は採決に不参加)
8) 自宅退院した後遺症をもった脳卒中患者が在宅で生活する中で抱く思い
申請者: 看護部 植田美紀
院内看護研究(10/4)
9) ピルフェニドン(ピレスパ)を服用している慢性呼吸器疾患患者の体験
申請者: 看護部 水田由望
院内看護研究
条件付き承認相当[誤記を修正すること](9/6)→承認相当(9/14)
10) アセトアミノフェン製剤特定使用成績調査
申請者: 薬剤部 高柳和伸
製造販売後調査(9/6)
11) 上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性肺扁平上皮癌患者における免疫染色の検討
申請者: 呼吸器内科 吉岡弘鎮
医師主導型多施設研究(9/6)(石田委員は採決に不参加)
12) 当院救急外来におけるトリアージの現状 -アンダートリアージからみる判断理由との関係
申請者: 看護部 岩元美紀
院内看護研究(9/6)
13) CCU-C入室時の患者の不安と情報ニードの分析
申請者: 看護部 村上英夫
院内看護研究(9/6)
14) 救急外来にウオークインで来院する患者に対する熟練看護師の緊急性の判断「何かおかしい」と思う根拠に着目して
申請者: 看護部 石原美江
院内看護研究(9/6)
15) 肺切除術後を観察室で過ごす患者の体験
申請者: 看護部 福本真弓
院内看護研究(9/6)
16) せん妄の治療に関する医療安全研究
申請者: 精神科 土田和生
医師主導型多施設研究
条件付き承認相当[患者の精神的負担を考慮し説明および文書による同意をとらないことが、学会等で一般的であるのか確認し、可能であれば掲示用説明文書で対応すること](9/20)→承認相当(9/22)
17) 未治療ⅢB/Ⅳ期非小細胞肺癌に対するカルボプラチン/TS-1併用療法とカルボプラチン/パクリタキセル併用療法の無作為化比較第Ⅲ相試験におけるバイオマーカー研究
申請者: 呼吸器内科 吉岡弘鎮
医師主導型多施設研究(9/6)(石田委員は採決に不参加)
18) 摂食・嚥下リハビリテーションの中での理学療法士の役割は何か? -抗重力活動の有効性
申請者: リハビリテーションセンター 中尾友美
自主研究(9/20)
19) 鎮静下治療内視鏡における偶発症対処のためのシミュレーション教育の有効性 -内視鏡的逆行性膵胆管造影を中心に
申請者: 看護部 田中悦子
院内看護研究(9/20)
20) 心不全患者・家族への入退院支援に関するスタッフ看護師と入退院支援看護師の連携の現状 -入退院支援機能充実のための検討
申請者: 看護部 佐藤貴美
院内看護研究(9/20)
21) 禁煙外来受診者への効果的な支援方法 -禁煙外来最終日の面談を通して
申請者: 看護部 新宅美恵子
院内看護研究
条件付き承認相当[同意書の宛名を修正すること](9/20)→承認相当(9/26)
22) 脳卒中疾患患者の嚥下評価から見る意識レベルや疾患部位と嚥下との関連性を明らかにする
申請者: 看護部 浅野滋子
院内看護研究(9/20)
23) 超低出生体重児の父親のわが子への思いの変遷について
申請者: 看護部 土師 静
院内看護研究(9/20)
24) 心疾患病棟看護師とケアマネジャーの退院支援に向けた連携における課題 -ケアマネジャーへのアンケート調査を通して
申請者: 看護部 中杉厚子
院内看護研究(9/20)
25) 化学療法オリエンテーションの理解度と副作用に対する予防と対処行動についての実態
申請者: 看護部 川﨑こずえ
院内看護研究(9/20)
26) 手術不能な大腸がんによる腫瘍性狭窄に対する食道用金属ステント留置
申請者: 消化器内科 山本 博
適応外使用(9/20)
27) 抑制に対する看護師の思い
申請者: 看護部 東 麻美
院内看護研究(10/4)
28) 脳外・脳卒中科病棟における退院支援の検討 -自宅退院した患者の事例を通して
申請者: 看護部 中田友絵
院内看護研究(10/4)
 ②変更申請:14件
1) アクテムラ点滴静注用200特定使用成績調査 -キャッスルマン病
申請者: 血液内科 上田 恭典
研究実施計画書の変更、調査担当者の変更(8/9)(上田委員は採決に不参加)
2) ゾレア皮下注用 特定使用成績調査
申請者: 呼吸器内科 有田眞知子
研究期間の変更(8/23)(石田委員は採決に不参加)
3) ゾレア皮下注用 特定使用成績調査
申請者: 呼吸器内科 有田眞知子
研究担当者の変更(9/6)(石田委員は採決に不参加)
4) インターフェロン療法に係る公費助成を受けたB型・C型肝炎患者の治療成績に関する全国規模のデータベース構築に関する研究
申請者: 消化器内科 守本洋一
研究責任医師及び当院研究担当者の変更(10/4)
5) プラチナ既治療非小細胞肺癌に対するティーエスワンとドセタキセルのランダム化比較第Ⅲ相試験
申請者: 呼吸器内科 吉岡弘鎮
契約症例数の追加(10/4)(石田委員は採決に不参加)
6) 胸部薄切CT所見に基づく肺野型早期肺癌に対する縮小切除の第Ⅱ相試験
申請者: 呼吸器外科 奥村典仁
研究実施計画書の変更(8/23)(奥村委員は採決に不参加)
7) 肺野末梢小型非小細胞肺癌に対する肺葉切除と縮小切除(区域切除)の第Ⅲ相試験
申請者: 呼吸器外科 奥村典仁
研究実施計画書、同意説明文書、登録票の変更(8/23)(奥村委員は採決に不参加)
8) 高安動脈炎の治療としてのトシリズマブ(アクテムラ)の使用(適応外使用)
申請者: 内分泌代謝・リウマチ・膠原病科 中澤 隆
研究期間の変更、院内研究助成金の変更(8/9)
9) 先天性QT延長症候群の病因解明のための遺伝子解析と日本国内多施設登録
申請者: 小児科 脇 研自
同意説明文書の変更(8/9)
10) トレアキシン点滴静注用100mg 特定使用成績調査(全例調査)
申請者: 血液内科 上田恭典
調査担当医師の変更(8/23)(上田委員は採決に不参加)
11) トレアキシン点滴静注用100mg 特定使用成績調査(長期観察調査)
申請者: 血液内科 上田恭典
調査担当医師の変更(8/23)(上田委員は採決に不参加)
12) 胸部帯状疱疹後神経痛に対する胸部神経根Pulsed radiofrequencyの効果に関する二重盲検ランダム化比較対照試験
申請者: 麻酔科 内田研一郎
研究実施計画書の変更(8/9)
13) 胸部帯状疱疹後神経痛に対する胸部神経根Pulsed radiofrequencyの効果に関する二重盲検ランダム化比較対照試験
申請者: 麻酔科 内田研一郎
院内助成金の変更(8/23)
14) 献血グロベニン-Ⅰ静注用(室温保存品)の慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)〔多巣性運動ニューロパチー(MMN)を含む〕における調査
申請者: 神経内科 進藤克郎
研究実施計画書の変更(8/9)
(2) 条件付き承認相当:4件
1) フォンタン術後、難治性PLEに対するオクトレオチド使用
申請者: 小児科 荻野佳代 羽山陽介
適応外使用
条件[説明文書の冒頭に「適応外」であることを明記すること、皮下注射か筋肉注射かわかりやすく記載すること](9/6)
2) ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群に対してのミコフェノール酸モフェチル継続使用
申請者: 小児科 田中紀子
適応外使用
条件[別紙Cを提出すること](9/6)
3) 腸管ベーチェットに対するサリドマイド(サレドR)の使用(適応外使用)
申請者: 内分泌代謝・リウマチ膠原病科 中澤 隆
適応外使用
条件[説明文書に副作用についての詳細な説明を加えること](9/20)
4) KMカートシステムを用いた腹水濾過濃縮再静注法の有用性について
申請者: 消化器内科 土井 顕
適応外使用
条件[臨研審査委委員長の事前確認について、回答と修正をすること。治療開始は可](10/4)
(3) 修正の上再提出:4件
1) 長期入院中の慢性疾患を持つ思春期患者の思い -振り返りのインタビューから
申請者: 看護部 濱本恵梨菜
院内看護研究
修正[1人の患者に短期間で2回インタビューする理由を明確にし、必要があれば修正すること](9/20)
2) 消化器外科病棟から緩和ケア病棟への転院に伴う患者の心理を知る
申請者: 看護部 惣一こずえ
共同研究
修正[実施計画書・同意説明文書等再考の余地あり、研究者が共同で作成し、再度提出すること](9/6)
3) イルベサルタンの高血圧患者に対する臨床的有用性に関する検討
申請者: 腎臓内科 浅野健一郎
医師主導型多施設研究
修正[研究参加施設について確認し明記すること](10/4)
4) 周産期医療の質と安全の向上のための研究
申請者: 小児科 吉崎加奈子
医師主導型多施設研究
修正[研究内容のわかる資料(ガイドライン等)を提出すること](10/4)
(4) その他:1件
1) MRSA肺炎診断・治療の実態調査
申請者: 呼吸器内科 伊藤明広
医師主導型多施設研究
その他[本研究のような調査という位置づけにおいて、文書による同意は必須かどうか、再度審議が必要であるため](9/20)(石田委員は採決に不参加)
(5) 成果等報告
 ①終了報告:3件
【その他】
(1) 当院スタッフのみを対象とする(患者を対象としない)研究の取扱いについて
 当院スタッフに対するアンケート調査などについては、一定の質が確保されていることを前提に臨研審査委委員長による委員会での審議不要の確認を行うこととする。但し、①修正依頼に対応できない場合、②倫理面での審議が必要な場合、③その他臨研審査委委員長が必要と認めた場合は、臨研審査委あるいは倫理委にて審議することとする。
(2) 論文投稿や学会発表などの公表に関する審査について
 後ろ向き観察研究については基本的に申請しなくてよい。「倫理委の承認を得て実施した」と記載する必要があるものについては、事前に臨研センターに申請する。研究開始時に申請を行わず発表の際に倫理委での承認を求められた案件については、その時点で臨研センターに申請する。
 審査については、「臨床研究に関する倫理指針、第2-3-(4)臨床研究計画の審査」に基づき、臨研審査委委員長に判断していただく。
(3) 第7回臨床研究セミナー開催について
 平成23年11月21日(月)18:30~ 於:大原記念ホールにて、第7回臨床研究セミナーを開催する。是非参加していただきたい。
(4) 次回開催日について
次回開催予定日 平成23年12月14日(水) 17:00~