平成27年度 第1回 医の倫理委員会 会議記録の概要

開催日時 平成27年4月8日(木) 17:00~18:35
開催場所 役員会議室
出席委員名 山形 専、山本 博、島村淳之輔、松下 睦、福岡敏雄、二宮伸介、髙栁和伸、黒瀬正子、富田秀男、森脇 正、安井昭夫 (欠席委員:光藤和明)
議事内容
【審議事項】
(1) 安定型冠動脈疾患を合併する非弁膜症性心房細動患者におけるリバーロキサバン単剤療法に関する臨床研究(AFIREStudy)
申請者: 循環器内科 門田一繁
研究実施計画書等に基づき、研究実施の妥当性について審議した。
審査結果: 承認(光藤委員は採決に不参加)
(2) 対照群を設定した製造販売後調査について
申請者: 内分泌代謝・リウマチ内科 三崎健太
研究実施計画書等に基づき、対照群を設定した製造販売後調査の妥当性について審議した。
審査結果: 今後、対照群を設定した製造販売後調査の事例が発生した場合は、再度、医の倫理委員会での審議を要するものとする。
(3) 小児死亡事例に対する死亡時画像診断モデル事業への協力
申請者: 小児科 脇 研自
実施要綱等に基づき、小児死亡症例の死亡時画像データおよび関連する情報を提供することの妥当性について審議した。
審査結果: 承認
【医の倫理委員会緊急審査報告】
(1) 18歳未満の健常小児をドナー候補とする血縁者間同種造血幹細胞移植に関するドナーコーディネート実施の承認
申請者: 血液内科 上田恭典
同種造血細胞移植実施の緊急性に鑑み、院内の一部委員により、倫理審査申請書等に基づき緊急審査を行った旨の報告があった。
審査結果: 承認 [ただし、第三者立場で活動する移植コーディネーター、臨床心理士に加え、小児科医師または二宮医師(遺伝診療部)が加わる形でドナー担当医療チームを形成すること。]
[協議内容および判定結果を全委員に報告し、承認された。]
(2) 胎児胸腔・羊水腔シャント
申請者: 産婦人科 長谷川雅明
治療実施の緊急性に鑑み、院内の一部委員により、倫理審査申請書等に基づき、胎児胸腔羊水腔シャント術の実施の妥当性について緊急審査を行った旨の報告があった。
審査結果: 承認 [ただし、今後、同様の手技については以下の医師要件を満たせば実地を認めることとし、当委員会での審議は不要とする。①5例以上の胎児胸水診療経験を有する日本産婦人科学会専門医であること。②胎児胸腔・羊水腔シャントチューブ留置術の2例以上の経験があること。(①を満たすが②を満たさない場合は、少なくとも5例以上の豊富な経験のある指導医の監督下で実施すること。] [協議内容および判定結果を全委員に報告し、承認された。]
【臨床研究審査委員会(2/17、3/3、3/17)審査報告】
(1) 承認相当:52件 ⇒すべて承認
(新規申請20件、安全性情報等に関する報告 1件、変更申請 31件)
 ①新規申請:20件
1) 未熟児・新生児のサイトカイン動態の把握
申請者: 小児科 澤田真理子
自主研究
条件付き承認相当(8/5) →承認相当(3/26)(新垣委員は採決に不参加)
2) 脳ドック受診者におけるT1-高信号プラークの有病率ならびに脳卒中に関する検討
申請者: 脳神経外科 黒﨑義隆
論文化等公表のための事前研究申請(委員長書面審査)(2/3)
3) 救急ICUにおける褥瘡発生要因の検討
申請者: 看護部 黒瀬美賀
看護研究(委員長書面審査)(2/3)
4) 導入化学放射線療法後に肺切除を行ったcN2非小細胞肺癌患者の治療成績調査
申請者: 呼吸器外科 奥村典仁
医師主導型多施設共同研究
条件付き承認相当(1/6) →承認相当(2/15)(奥村委員は採決に不参加)
5) FDG-PET検査の有用性に関する臨床研究 ~消化器癌領域のFDG-PET検査の有用性に関する研究~
申請者: 放射線診断科 小山 貴
委託研究(3/3)
6) DPCデータを用いた在院日数影響因子の検討
申請者: 臨床研究支援センター 山本佳治
自主研究(委員長書面審査)(2/24)
7) 非生物由来製品を用いた手術における炎症反応抑制に関する臨床調査
申請者: 心臓血管外科 小宮達彦
委託研究
条件付き承認[相当生物由来製品の同意書が必要かどうかを確認すること](3/3) →承認相当(3/26)
8) オプジーボ使用成績調査 根治切除不能な悪性黒色腫
申請者: 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 佐藤進一
製造販売後調査(2/17)
9) 大動脈弁温存基部置換術レジストリー
申請者: 心臓血管外科 小宮達彦
医師主導型多施設共同研究
条件付き承認[【症例報告書】(項目一覧)には氏名、生年月日の項目があるが、個人情報保護のため、どの情報を院外に提出するのかを確認すること](3/3) →承認相当(3/10)
10) 人工股関節全置換術施行患者の術前および術後早期における歩行能力と日本整形外科学会股関節疾患質問票(JHEQ)による評価との関係とその推移に関する研究
申請者: リハビリテーション部 白石明継
自主研究(委員長書面審査)(2/17)
11) 気管切開児のスピーキングバルブ使用についての安全性の検討ならびに発語獲得に対する予後評価
申請者: 小児科 徳増智子
自主研究
条件付き承認[【研究計画書】に年間の予定症例数を記載すること](2/17) →承認相当(2/23)(新垣委員は採決に不参加)
12) バイクロット配合静注用 使用成績調査(全例調査)
申請者: 血液内科 岡田和也
自主研究(2/17)(上田委員は採決に不参加)
13) 細菌性肺炎と薬剤性肺障害の鑑別に血清PCT測定が有用か否かの後方視的解析
申請者: 呼吸器内科 西山明宏
論文化等公表のための事前研究申請(委員長書面審査)(2/24)
14) 前立腺肥大症患者におけるSilodosinの有用性評価研究
申請者: 泌尿器科 寺井章人
委託研究
条件付き承認[【説明文書】の課題名が異なるためその他の書類と統一すること](3/17) →承認相当(3/19)(寺井委員は採決に不参加)
15) 胃粘膜下腫瘍の診断・検査・治療方針に関する研究
申請者: 内視鏡センター 松枝和宏
医師主導型多施設共同研究(3/17)
16) イクスタンジ カプセル40mg長期特定使用成績調査
申請者: 泌尿器科 寺井章人
製造販売後調査(3/3)(寺井委員は採決に不参加)
17) 脳循環予備能測定のためのダイアモックス負荷SPECT
申請者: 脳神経外科 沈 正樹
適応外使用
条件付き承認[確認事項に基づき、書類を修正すること](2/17) →承認相当(2/20)
18) 膵神経内分泌癌における新たな分子生物学的分類を目指した研究
申請者: 消化器内科 石田悦嗣
医師主導型多施設共同研究
条件付き承認[【同意書】「・・・保存と使用に関して:」とあるが、将来の使用については倫理指針に則って、改めて同意を得る必要があるため、「使用」は削除し、「・・・保存に関して:」とすること](3/17) →承認相当(3/19)
19) 高齢者肺癌に対する外科治療の安全性と有効性を評価する
ための多施設共同前向き調査研究
申請者: 呼吸器外科 奥村典仁
医師主導型多施設共同研究(3/17)(奥村委員は採決に不参加)
20) SJM人工弁市販後調査
申請者: 心臓血管外科 小宮達彦
委託研究(3/17)
  ②安全性情報等に関する報告:1件
1) 胸部薄切CT所見に基づくすりガラス影優位のcT1N0肺癌に対する区域切除の非ランダム化検証的試験
申請者: 呼吸器外科 亀山耕太郎
医師主導型多施設研究(3/3)(奥村委員は採決に不参加)
  ③変更申請: 31件
1) 網膜下手術 t-PAを用いた網膜下血腫除去
申請者: 眼科 岡田守生
研究期間の変更(3/17)
2) 難治性ネフローゼ症候群に対するミコフェノール酸モフェチル(MMF)の使用
申請者: 小児科 綾 邦彦
研究期間の変更(3/17)(新垣委員は採決に不参加)
3) トリアムシノロンによる眼炎症治療および硝子体可視化への応用(ケナコルト-A)
申請者: 眼科 岡田守生
研究期間の変更、院内助成金の変更(3/17)
4) インドシアニングリーン(ICG)による網膜内境界膜染色の有効性について
申請者: 眼科 岡田守生
研究期間の変更、院内助成金の変更(3/17)
5) 緑内障濾過手術における5-フルオロウラシル(5-FU)の有用性について
申請者: 眼科 橋本 雅
研究期間の変更、院内研究助成金の変更(2/17)
6) 緑内障ろ過手術や再発性の翼状片手術における、局所の瘢痕形成の抑制や翼状片組織の再増殖抑制のためのマイトマイシン注用2㎎の使用
申請者: 眼科 岡田守生
研究期間の変更、院内助成金の変更(2/17)
7) ファンガードにおける角膜真菌症、アカントアメーバ角膜炎の有効性について
申請者: 眼科 岡田守生
研究期間の変更、院内助成金の変更(3/17)
8) NOBORI Biolimus-Eluting versusXIENCE/PROMUS Everolimus-elutingStent Trial(実地臨床におけるバイオリムス溶出性ステント(BES)とエベロリムス溶出性ステント(EES)の有効性及び安全性についての多施設前向き無作為化オープンラベル比較試験)(NEXT)
申請者: 循環器内科 羽原誠二
研究実施計画書の変更、研究期間の変更(3/3)
9) わが国の救急気道管理に関する多施設前向き観察研究
申請者: 救急科 岡本洋史
研究期間の変更(3/3)
10) フォンタン術後、難治性蛋白漏出性胃腸症(PLE)に対するオクトレオチド使用
申請者: 小児科 荻野佳代
研究期間の変更(2/17)(新垣委員は採決に不参加)
11) ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群に対してのミコフェノール酸モフェチル継続使用
申請者: 小児科 田中紀子
研究期間の変更(2/17)(新垣委員は採決に不参加)
12) 手術不能な表在性腫瘍の硬化、止血のためのモーズ軟膏の使用
申請者: 外科 山口和盛
研究実施計画書の変更(3/17)
13) 中心性漿液性網脈絡膜症に対する光線力学的療法の有効性について
申請者: 眼科 岡田守生
研究期間の変更、院内助成金の変更(2/17)
14) 中心性漿液性網脈絡膜症に対する光線力学的療法の有効性について
申請者: 眼科 岡田守生
院内助成金の変更(3/17)
15) 高齢者非小細胞肺癌完全切除後病理病期IA(T1bNOMO)/IB/II/IIIA期症例の術後補助化学療法に対するS-1の連日投与法および隔日投与法のランダム化第二相試験
申請者: 呼吸器外科 奥村典仁
当院での予定症例数変更(委員長書面審査)(2/27)
16) 眼内リンパ腫に対する硝子体内メトトレキサート注射の有効性について
申請者: 眼科 岡田守生
研究期間の変更、院内助成金の変更(3/17)
17) 腹部大動脈ステントグラフト術後のエンドリーク検出のための造影超音波検査の有用性
申請者: 心臓血管外科 島本 健
研究期間の変更、院内研究助成金の変更、予定症例数の変更(3/3)
18) 新生児低酸素性虚血性脳症に対する自己臍帯血幹細胞治療
申請者: 総合周産期母子医療センター 渡部晋一
同意説明文書の変更(2/19)(新垣委員は採決に不参加)
19) 胸部薄切CT所見に基づくすりガラス影優位のcT1N0肺癌に対する区域切除の非ランダム化検証的試験
申請者: 呼吸器外科 亀山耕太郎
研究実施計画書の変更、同意説明文書の変更、登録適格性確認票、症例報告書の変更(3/17)(奥村委員は採決に不参加)

20) フォンタン術後、難治性PLEに対するオクトレオチド使用
申請者: 小児科 柏崎元皓
研究期間の変更(3/17)(新垣委員は採決に不参加)
21) 非小細胞肺がんにおけるベバシズマブ併用化学療法における蛋白尿、高血圧発現の臨床的意義を探る後方視的解析
申請者: 呼吸器内科 曽根尚之
研究期間の変更(委員長書面審査)(2/3)
22) 研究参加施設に新たに発生する全ての成人ALL症例を対象とした5年生存率に関する前向き臨床観察研究 JALSG ALLClinical Observation Study 12
申請者: 血液内科 上田恭典
申込書変更、同意説明文書作成(3/3)(上田委員は採決に不参加)
23) 初発フィラデルフィア染色体陽性成人急性リンパ性白血病を対象としたダサチニブ併用化学療法および同種造血幹細胞移植の臨床第Ⅱ相試験
申請者: 血液内科 上田恭典
当院での予定症例数を変更(委員長書面審査)(1/30)
24) 消化器科に特化した転倒の要因
申請者: 看護部 山川聡美
研究課題名の変更(2/17)
25) ゾレア皮下注用75mg/150mg特定使用成績調査(小児の気管支喘息)
申請者: 小児科 田中紀子
研究実施計画書の変更、研究期間の変更(2/17)(新垣委員は採決に不参加)
26) ジオトリフ錠 特定使用成績調査 EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌患者,長期使用下における調査
申請者: 呼吸器内科 石田 直
調査症例登録期間の変更(3/3)(石田委員は採決に不参加)
27) 未治療進行・再発の非扁平上皮非小細胞肺癌を対象としたカルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ併用療法とシスプラチン+ペメトレキセド+ベバシズマブ併用療法のランダム化第II相臨床試験
申請者: 呼吸器内科 吉岡弘鎮
研究実施計画書の変更、同意説明文書の変更(3/17)(石田委員は採決に不参加)

28) 血清中自己抗体と進展型小細胞肺癌の予後との関連についての検討
申請者: 呼吸器内科 池尾 聡
症例登録票の変更(3/3)(石田委員は採決に不参加)
29) バイクロット配合静注用 使用成績調査(全例調査)
申請者: 血液内科 岡田和也
研究実施計画書の変更、調査票の変更(3/17)(上田委員は採決に不参加)
30) 血清中自己抗体とEGFRおよびALK遺伝子変異陰性進行非小細胞肺がんの予後との関連についての検討
申請者: 呼吸器内科 吉岡弘鎮
症例登録票の変更(3/3)(石田委員は採決に不参加)

31) 血清中自己抗体とEGFRおよびALK遺伝子変異陰性進行非小細胞肺がんの予後との関連についての検討
申請者: 呼吸器内科 吉岡弘鎮
研究実施計画書の変更、症例登録票、症例報告書の変更(3/17)(石田委員は採決に不参加)

(2) 条件付き承認相当:3件
 ①新規申請:2件
1) 難治性消化管ベーチェット病に対するシクロスポリン持続点滴静注療法(適応外使用)
申請者: 内分泌代謝・リウマチ内科 三崎健太
条件付き承認相当[【臨床研究申込書】【別紙A】【別紙C】旧書式であるため、新書式に記載の上、提出すること、【臨床研究申込書】研究デザイン「介入を伴わない研究」ではなく、「介入を伴う研究」にチェックすること](2/17)
2) 日本産科婦人科学会周産期委員会 周産期登録事業および登録情報に基づく研究
申請者: 産婦人科 長谷川雅明
条件付き承認相当[事前確認に基づき、書類を修正すること](3/17)
  ②変更申請:1件
1) フォンタン術後の鋳型気管支炎に対する組織型プラスミノーゲン活性化因子吸入療法
申請者: 小児科 脇 研自
条件付き承認相当[保険請求を試みた後の承認状況について、臨床研究審査委員会に報告すること。保険請求が認められている場合は、変更申請不要である。成果・終了報告書を提出すること](3/17)(新垣委員は採決に不参加)
(3) 成果等報告
 ①成果報告: 46件
 ②終了(中止・中断)報告: 21件
 ③実施状況報告: 33件
【その他】
(1) 18歳未満の健常小児をドナー候補とする血縁者間同種造血幹細胞移植に関するドナーコーディネート実施の承認〔院内手順〕([倫26-27]:血液内科)
第三者立場で活動する移植コーディネーター、臨床心理士に加え、小児科医師または二宮医師(遺伝診療部)が加わる形でドナー担当医療チームを形成することを院内手順に加えた。
(2) 医の倫理委員会 規定、審査申請および審査手順書の改定について
平成27年4月1日から施行となった「人を対象とする医学家医研究に関する倫理指針(平成26年12月22日 文部科学省/厚生労働省)」に準じて倫理委の規定、手順書の改定案を作成した。
「医の倫理委員会 規定(2015.4.1 改定案)」「医の倫理委員会 審査申請および審査手順書(案)」「変更箇所新旧対比表」を基に説明を行った。
(3) 厚生労働省倫理審査の認定結果について

認定結果は「認定せず」であった。不備な点を検討し、次年度に備える。

(4) 次回開催日について
次回開催予定日 平成27年6月11日(木) 17:00~ 役員会議室