| 腹腔鏡とは |
腹腔鏡とは直径10mmのスコープで腹腔を観察しながら、不妊症の原因をさがしたり、病変の治療を行うものです。開腹手術にくらべて術後の癒着が少ない、傷が小さい、痛みがすくない、などのメリットがあります。全身麻酔が必要で、約1週間の入院となります。
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写真は正常ケースです。
腹腔内がとても細かく観察できます。 |
図のようにへその下から直径10mmのスコープをいれて観察します。
手術操作は直径5-12mmの鉗子を2-3本用いて行います。
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| 子宮内膜症の腹腔鏡所見 |
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子宮内膜症とは子宮の外側・周囲や卵巣など、ほんらい子宮内膜が存在しない場所に子宮内膜が発生する原因不明の疾患です。卵巣チョコレート嚢種(のうしゅ)のように大きいものはエコー検査でもわかりますが、小さな病巣や癒着は腹腔鏡でないと診断は困難です。
(1) 卵巣チョコレート嚢種。左卵巣が子宮よりも大きく腫れています。
(2) 子宮周囲、卵管周囲が子宮内膜症のために広い範囲にわたって癒着しています。
(3) 子宮の外側に赤や無色の水疱(水ぶくれ)がみられます(矢印の部分)。
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| 子宮内膜症で不妊症の場合、どのような治療をするか |
子宮内膜症イコール不妊症、ということはありません。しかし、子宮内膜症があると妊娠しにくくなります。これは、
1. 卵管卵巣周囲の癒着のため、卵が卵管にとりこまれない、
2. 子宮内膜症病巣でつくられるサイトカインという物質が妊娠に悪影響を及ぼす、などが原因と考えられています。
腹腔鏡手術では、
1. 癒着を剥離する
2. 子宮内膜症病巣を熱処理する
3. 卵巣チョコレートのう腫の摘出(正常部分は残します)
4. 腹腔を大量の食塩水で洗う などを行います。
子宮内膜症で不妊症の場合、まずはタイミング法で経過をみます。
タイミング法で妊娠されない場合には、体外受精か腹腔鏡手術に進みますが、どちらがよいかということは、年齢や、チョコレート嚢腫の有無によってもかわりますので、また受診してご相談ください。 |
| 卵管形成術とは、パイプ掃除のようなものです |
卵管のなかが閉塞している場合に、ちょうどパイプそうじのように、なかを風船(バルーン)で通す手術です。写真左は、子宮から卵管へバルーン(矢印で示した明るいところ)が進んできたところです。写真右は、バルーン(矢印)が卵管の先端近くまで進んできたところです
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| 卵管形成術の妊娠率 |
81%のかたで、卵管の開通に成功し、うち半数のかたが自然妊娠されています。 卵管が開通しても半年から一年、妊娠に至らない場合には、卵管以外のなんらかの原因がある可能性もあるので体外受精をお勧めしています。 閉塞がきつく、バルーンが全く通らない場合もあります。この場合は、体外受精を考えます。
次の項目も必ずごらんください。 |
| 卵管采に異常がある場合は、卵管形成術の適応となりません |
写真は卵管采の異常例です。卵管采が硬く、膣から子宮に入れた青い色素が卵管采の手前まで来たもののそれ以上は進まず、卵管がソーセージのようにふくらんでいます。
卵管の先端を卵管采(らんかんさい)といいますが、ここはひらひらと繊細な動きをして卵を拾うピックアップ機能があります。卵管采が障害を受けていると、いくら卵管のなかが通っても、なかなか卵が卵管にはいりません。腹腔鏡で卵管を観察し、卵管采に異常がみられた場合には、卵管形成術は中止し、体外受精をお勧めします。
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